<高校教諭 子猫生き埋め>保護者会で批判の声 「命の尊さ教える教諭が…」

<高校教諭 子猫生き埋め>保護者会で批判の声 「命の尊さ教える教諭が…」
ちばとぴ by 千葉日報 2015年3月25日 13時9分配信

 千葉県立薬園台高校(船橋市、大輪茂利校長、生徒967人)の30代の男性教諭が子猫を生き埋めにしていた問題で、同校は24日夕、緊急保護者会を開き、初めて保護者らに経緯などを説明した。一部の保護者は「命の大切さを教えていくべきなのに」などと教諭を批判、厳正な処分を求めたという。同校は夜に会見を開き、あらためて謝罪。県教委は厳正に対応していく考えを明らかにした。

 同校はこの日が終業式。式が終わり、夕方に開かれた保護者会には126人が出席し、同校は初めて事件の経緯を説明した。

 説明後の質疑で一部の保護者は「子猫とはいえ小さな命。その大切さを教えていくべきなのに、行為が軽すぎる」などと男性教諭の行為を批判。厳正な処分を求めた。また「報道で初めて知った。説明が遅い」と学校側の対応の遅れも指摘されたという。

 同校によると、男性教諭は6日午前、校内の温室内で生まれたての体長5センチほどの子猫5匹を発見。「授業などに支障が出る」と判断して同日午後、男性教諭が担任するクラスの男子生徒3人に深さ70センチほどの穴堀りなどを手伝わせ、自ら埋めたという。

 9日に行為が発覚。男性教諭は10日にクラスで生徒に謝罪した。翌日からは副担任が指導を行っている。現在も学校には出勤しているが、自分の行為を後悔し、社会の反響などから落ち込んでいるという。生徒に影響はないという。20日の臨時全校集会では、校長が経緯を説明したうえで、男性教諭自ら謝罪した。

 会見の冒頭、大輪校長は「あってはならない不祥事」とあらためて謝罪。今後は、職員間での連絡や相談を徹底し、問題解決に努めていくと話した。男性教諭の処分などについて同席した県教委教職員課の矢島義文主幹兼管理室長は、事実を確認した上で厳正に対応していく考えを示した。

◆船橋市保健所・相談ほしかった 地域猫NPO・道徳心に欠ける 教諭の行為広がる波紋

 今回の問題は各方面に波紋を広げている。保護した子猫の譲渡を行う地元・船橋市の保健所は「相談がほしかった。残念」と落胆。地域猫活動を進める地元NPOは「道徳心に欠ける」と強く非難した。いずれも、地域全体の問題としての取り組みを求めた。

 同市保健所衛生指導課の倉沢久子課長によると、2014年度は20日現在で200匹の猫を保護し、90匹は新しい飼い主に渡された。そのほとんどが子猫。

 倉沢課長は「学校を中心に命の大切さを伝えてきたが、(生き埋めにしたのが)教育関係者と聞き、とにかく残念。電話でも対応しているので、まず相談がほしかった」と指摘したうえで、「地域の重要な問題として、さらに市民に訴えていきたい。命の大切さも伝えていく」とした。

 「人として道徳心に欠けている。命を奪う権利がどこにあるのか」。06年から同市内で地域猫活動を推進するNPO法人「ふなばし地域ねこ活動」の清水真由美理事長(47)は、教諭の行動へ怒りを隠さない。

 住民が野良猫に避妊・去勢手術を受けさせるなど管理する地域猫。「野良猫の糞尿問題が解決し、住民同士の交流も増えて環境改善や街づくりにつながる」と、自治会への出張講習のほか、電話相談なども受け付けている。

 清水理事長は「学校も地域の一員」として、学校での地域猫活動を提案。「野良猫は地域の問題だと認識してほしい。そうすれば、このような悲しい事件は起きない」と提言した。

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